「…お前だろ」


不意に部屋に響いた低い声…。


大和…怒ってる?



「俺…?」


「ああ。お前が一番“養子”にこだわってる。そう言ってるんだ」


立ち上がり、眉根を寄せて。何の事だかわからない と言う国枝君の胸倉を掴んだ。



「お前はバカだ。大事に育ててきて貰ったんだろ?


何ビビってんだ?捨てられると思ってんのか?


我儘くらい言ってやれよ!それが恩返しになるってことも分からないのか?


…お前の親は言って欲しいんだよ。


普通の、血のつながった親子のように接してきたつもりなんだから。


なのに…お前は、隠し通せてねぇんだよ……。お前が養子だと知ってる事、もう二人には分かってるはずだ。


下手な芝居なんかしやがって。気のつかい方を間違ったな。


もう言っちまえよ。言いたい事全部言って。


養子だとか、血がつながってないとか


そんなもん全部取っ払えるくらい話しあえ」



言いたい事を全部言ったのか、胸倉を掴んでいた手を静かに離した。




そして



「てめぇとは絶交だ☆


解決するまで話しかけんじゃねぇぞ」


と、笑いながらドアを開けた。