ふぅぅ…


「ひゃんッ」



耳に息がかかる。


「分かってるくせに…」


そんな低い声で囁くなんて、ズルイ…ッ


「ここ暫くさなに触れてないから、結構ゲンカイ」


「あ…やッ。そんなとこ触りながら…」


「続き、さしてくれたら、縁談も上手く断れそうなんだけどなー…」



さっきは大丈夫って言ってたくせに…


触れられた部分に熱を感じながら、身を任せる。




「抵抗しないなら良いように受け取るけど…?」


今更そんな事を。



「答えなんて、分かってるくせに…ッ」




シーツの皺を足で寄せたり伸ばしたりしながら、


たくし上げられたTシャツの中に侵入してくる彼の手に集中する。




さわさわと滑るように触れる感覚が、思考を完全にストップさせた。


「んん…あ…ッ」


「…その顔、俺以外に見せんなよ?」



「はっ…や…」


咥えられた指に絡みついてくる舌。それは卑猥な音を立てて、益々あたしを壊れさせる。



声が、止められない。



「我慢しないで。声、聞かせて」





「でも…ッ…お母さん達、いるんでしょ…」