…バカだ。



『分かってる』なんて言っておきながら、何でこんなことするの?



分かってるけど止められないほどの衝動だったの?





どくん どくん



嫌に胸がざわつく。





「痛って…」



座ったまま、大和が呟く。



その目はしっかりとあたしを捉えている。



どくん どくん



胸の中に靄がかかっていく様だった。





あたしは今、どうしたい?



「大丈夫ですかッ?」




伊集院さんが声をかけた と同時に










あたしは国枝君を追いかけていた。








大和。ゴメン。






でも今は、国枝君の事が心配だから――――――――――。