「――――さて。教室に戻ろうかな。


一発ぶん殴らないと気が済まないから」



ニコリとダークな微笑みを浮かべる国枝君ッ


「殴るって…大和を?


冗談だよねッ!?停学になっちゃうよ!」



学力重視の学校で、身なりには多少甘い所が合ううちの学校。


でもッ


いくら勉強ができても、暴力沙汰を起こせば停学は免れない。


「そんな危ない橋、渡ろうとしないで」




…大和が殴られる事が嫌で言っているわけじゃない。



大和の大切な友人が停学なんて、大和自身も嫌な思いをするに決まっているから。




「……分かってるよ」




そんな事、分かってる。




そう言って微笑み、前にされたように




あたしの髪をぐちゃぐちゃにして



彼は去って行った。










けれど。