どよっ


静かだった教室が騒がしい声で 揺れた。




「おま…!!伊集院さんとお見合いしてたのかよ……!!!!」



開けようとしていた手がピタリと止まった。


伊集院さん…?お見合い…?



誰と?




「羨ましいなー大和はッ!!もう結婚決まったんだろ?」



大和…?


結婚…?



寝不足も手伝ってか、地面が大きく揺れた気がした。



途端


ガラリと勢いよく扉があき、添えていた手が弾かれる。


「イタッ…」



手を抑えながら前を見ると


あ…


「白鳥さん…」


こないだ大和の事を相談してきた彼女が、


顔に両手を添え、その脇からぽたぽたと滴を漏らしながら立っていた。



一瞬、あたしを見て縋り付きたそうな顔をしたをしたけれど



結局そのまま走り去っていく。




背中が


『一人にして』


と言っている気がした。