見るからに寝不足と言った顔で出勤し、周りから『昨日カレシとでも会ってたの?』なんてからかわれる。


結局目が覚めた後、眠りについたのは

起きる1時間前の事だった。


気になって気になって 仕方がなかったんだもん。


目を閉じても浮かんでくる大和の顔が睡眠を妨害した。



「長谷センセー?行くわよッ」


綾さんに促され、お手製の

授業で使うプリントを手にし 廊下を歩く。


安本さんもお役御免になったから手伝ってくれるはずもなくて


前の授業では、生徒たちがきったないあたしの字に悪戦苦闘していた。


パソコン、使えるようになんなきゃな…



予鈴が鳴り、廊下に居た子たちはパラパラと教室に消える。



「じゃあ、あたしBクラスだから」


ガラリと扉を開けてズンズンと入っていく綾さんを見送ってから、


その奥にある特Aクラスの入り口に立つ。



はぁぁぁぁ…




なんだか気まずくて入りづらい。



でも。



いつまでもここに居るわけにもいかないから



意を決して扉に手をかけた。



その時