「じゃあ、お邪魔しました」 タクシーに乗り込む所まで見送りに行く と聞かなかったお母さん。 「キヲツケテカエッテクダサーイ」 手を振りながらケーキの事を考えていた。 発進するタクシー。 そのテールランプを眺めながら 「あいつ、何しに来たんだ?」 と切実に思った。 家に入り、ケータイを確認する。 …着信はない。 ま、まだ8時だしね。 きっと12時までには連絡来るでしょう。 そう思っていたのだけれど。