目が点になる


とはこの事だ と実感した。





「好きだってことだよ、“さなちゃん”が」




なんだって?


好き?


誰が誰を?



ここはッ…何が何でも冗談だと言わせなくては!!



「な…何の冗談…」


「うん、冗談」


「はッ!?」


相当な覚悟で切りだしたのに、あっさりとそう返されると



ムカつく。




「冗談だよ、センセー。

俺は流石に友達のオンナに手ェ出すほど姑息じゃない。


ただ、こういう風に告白されたらどうするのか知りたかったんだ」



シャカシャカと、彼の耳から音が漏れてくる。


涼しい顔をしているのも気に食わない…!!


「何でそんな事するの?」


嫌がらせ?


あたし、そんなに嫌われることした?


ネガティブになると中々抜け出せない。



「…大和には幸せになってほしいんだ。

俺は決められた相手との結婚が待ってる。


会社の為。存続の為。親の為。

そう言って渡された見合写真に、心底ウンザリしたよ。


両親は自分らの為に、俺の結婚相手を決めた。


だけど…

奴らは“俺の為”だと言った。


そんなの、ずるいよな」


ずるいよ。



二度繰り返したその言葉に


相当な重みを感じた。