「おわったーーー!!」

「おい、瑠璃子ちゃんとこ行こうぜ!!」

「あ、お前抜け駆けすんじゃねぇ!!俺が先に行くんだ!」


という男子共。あっという間に教室から殆どの男子がいなくなり、

残された女子と、3人の男たち。


言うまでもないが、真中君と、大和たち2人だった。



「あんたは行かなくていいの?」


行って欲しくはないけれど、一応聞いてみた。


「?なんで?行く必要なんてない。

行ったら行ったでまた勘違いされそうだからな」



まぁ。それはそうかもしれないけどさー。



原因を作った奴としては、少しくらい罪悪感てものがあってもいいんじゃないかしら??



自分の席にも戻らず、教壇に載っているあたしの筆箱からシャーペンを取り出して、またパラパラ漫画を描き始めた大和。

おい、それはあたしの教科書でしょう!!


止めても言う事を聞くはずがない彼。あきれ顔で黒板を消していると…



「あのぅ…田原君?」


と、可愛い声が。


気付かないふりをしつつ、耳だけをそちらに傾けてみる。






「………何か用?」



「あ、あの…私たち、田原君とお話がしたくて…!!

この子は国枝君と…」


「そんな事、田原君に言わなくても良いんじゃないかしら…」



おーおー。


青春だのう。



…でも、なんだかモヤモヤする。



割りきったふりをしても、こういう時に感情がすぐ出てくるのは


自分がまだ知らないふりを出来ていないという事なんだろうな。