「私、田原君に



恋 したみたいです………!!!!!」




物音が一切しなくなった教室内。



真っ赤な顔で祈りの時のように両手をあごの位置で握った彼女だけが、もじもじと動いていた。




「えーっと…。


今の態度で、どうやったら好きになれるのかな…?」



ようやく口に出せたのはそんな質問だった。



彼女は、右手を頬にそっと当てながら更に顔を赤くする。



「私…自分で言うのもなんですが、結構な贅沢暮らしなんです。

お父様のお仕事は中小企業の会社までもを吸収するほど規模が大きいものですから

一人娘である私に取り入ろうと、いろんな方が気をつかい、誉めて下さるのです。


ですが田原君は…違うみたいです。


ご両親の会社ともお仕事の繋がりがあるというのに


ああやって素のご自分をお見せになられる…。



そんな彼だからこそ好きになったのです。


自分をさらけ出せる勇気のあるお方なのです!」




………。


お嬢様の考える事は良く分からん。


ただ単に奴は傲慢なだけなのに…