出入口のざわめきを苦笑いでスルーする。
あんなのに干渉したらあたしまで蹴りを喰らいそうだ。
ふと、教室内を見ると
席に着いたまま教科書をじぃっと見つめている人が。
あ。
こないだあたしに凄い質問した彼だ。
真中君…って言ったかな。
やっぱりまじめなんだね…
って、良く見ると教科書は逆さまだし
ソレに隠れた顔は真っ赤で廊下をチラチラ気にしているっ!
あからさまではないか!!
あたしが真中君の意外な一面を見てしまった所でようやく
教室の外も収拾がついたようだった。
「ガキ共座れー」なんて、PTAが聞いたら憤慨しそうな言葉遣いで綾さんが男子生徒達を席に着かせた。
そして、超絶美人とその取り巻き5人が教室に入ってくる。
その立ち振舞いは、何と言うか…
立てば芍薬座れば牡丹、歩く姿は百合の花
に相応しいッ!!
なんて国語教師らしい思考が浮かぶ。
でも、本当にそんな感じで…
住む世界が全然違うんだという事がすぐに分かる位だった。


