「あんたは頭は良いけど馬鹿だっ!!!」




国枝君が見てる前で何っつーことを!!


ギャラリーが居ると燃える


とか言ったら コ ロ ス !!!



「大丈夫か?」なんて国枝君が心配し始めたせいで、


あたしは気まずくなって さっさと家の中へと入った。



「お帰り…。今外で騒いでたのってあんた達?」



お母さんが玄関で出迎えてくれた。



「あ、うん。ごめんね。煩かったでしょ」


「それは良いんだけど…。あの子はだぁれ?」



玄関の横にある、縦長の窓から 未だにうずくまっている大和の姿が見えた。



「大和と一緒に居る子?

大和の友達だよ。国枝君」



「へぇー…国枝君…かぁ…」



……お母さんの顔が赤くなっているのは…気のせい、だよね!?



全く…。最近ジョミーズJrにハマってきたお母さんはすぐイケメンに反応する。


自分の年齢とファンになる子のギャップが激しいんだよ。



「あ、さな。ご飯はレンジで温めてね。

で 食べながら、大和君のライバルとの話でも聞かせてよ」


「良いけど…。


もっと凄い話、聞きたい?」



「えー?なになに?ききたぁ~い!!」




日付が変わる、ちょっと前。



あたしは水分を含んでベチョベチョになったコロッケを噛み締める。


寝れるのは まだまだ先のようだ。