「母がそのブランド好きでね。俺は興味はないけど、価値だけは普通に分るから」
「……えーっと。そのブランドとは…?」
ピンと来てなかったあたし。大和は やっぱりな と言った眼でこちらを見てから
「あの棚にカップが入っていた箱が取ってあるから。見てみるか?」
不敵な笑みを浮かべている…!!
嫌な予感がして、言われた場所にある箱を慌てて見に行った。
ソレは、オレンジ色の箱で…
記載されているローマ字を一つづつ確認していく。
H・E・R・M・E・●……
「え…ッ…エルメ●!!!!!」
やばいよやばいよ!!
あたしでも聞いたことくらいはある、その有名なお名前ッ!!
一回興味本位でお店に入ってみたが、その値段に驚いて逃げて来たくらいで!
恐る恐る振り返り
知らん顔でコーヒーを飲み続ける彼に
「つかぬ事をお聞きしますが…
おいくらですか?」
と尋ねてみた。


