「説明しろよ、どういう事か」





蛇に睨まれた蛙 状態のあたし達。


もう逃げられない。



恐ろしくて身動きが取れない…。



大和が、静かに口を開いた。


「…時間、無いんじゃないですか?もう7時になりますし」


「かまわねぇよ。お前の担任と教頭には何かしらの理由をつけて休むと言ってやる


だから全部話せ」



………。




「分った…」



今しか、話す機会がないと思った。



もしここで逃げていたらきっと、一生かかっても彼は許してくれない


そう思ったんだ。




「じゃあ、家へどうぞ。両親達は仕事で居なくなりますし、休む理由を伝えれば大丈夫ですから」



「そうさせてもらうよ」



「さなは一旦家に帰ってゆいかさんに言ってきた方がいいぞ」



「分った…」






柵越しに抱きしめられていた身体を、ゆっくりと離した大和は


どうぞ


と、冷静に柳瀬さんを家へと案内していった。