気付けた後に待っていたのは二つの選択肢。
失うものがあっても、本当の愛情を取るか
このまま偽りの愛を受け入れ続けるか
グレーはない。
ただ、それだけ。
「…あのさ、もし…な。さなが自分の気持ちを伝えたとしても
あいつならきっと今まで通りに接してくると思うぞ。
和樹を思い出してみろよ。
あいつだってお前に振られたけど、その後だって普通に接してるだろう。
振られたからって態度まで変わる奴は、バカだ」
そうだろう？
言いながら身体を少し離して、顔を覗き込んでくる大和。
「そう…だといいな。…あの人子どもな所あるから心配だけど」
あたしのその一言に、目の前の彼は悲しそうに笑った。
「…さなが望むなら
柳瀬のとこに行ってもいいんだぞ？」
「何。それ…」
