「うん…」



それに応える様に、両腕を彼の背中に回す。



あたしの方が、きっと彼を不安にさせているに違いないのに。


年下な彼に、こんなにも気を遣わせてしまっている…





本当は、大和からの十分すぎる愛情を感じていた。


でも、それだけじゃ足りないと思っているあたしは本当に貪欲だ。




デートしたり、一緒に帰り道を歩いたり



人並みの幸せを味わえなくなった分、なんだか心にでっかい穴ができたみたいで…




今まであたしがどれだけ幸せな女だったか、気づけていなかった。



その隙間を埋めてくれる愛情に飢えていた。




そこに入ってきた柳瀬さんの、あたしには救いとも言える程嬉しい愛…




本当に埋めて欲しい人のものじゃ無かったけれど、受け入れることしか選択肢がなかったんだ。



それで自分が満足できるなら と、拒む事はしなかった。



結局、自分が可愛いんだ。



虚しさを少しでも緩和できるなら人の愛情を簡単に利用できる女なんだ、あたしは。




でも。




そんなのはもう 止めだ。