「でも今払わないって言ったばっかりじゃ…」



「ジョーダンだよ。弁当作る労力に比べれば安いもんだろ?


送るのだって本当は手放しで喜んでる所だ。せっかくだから条件つけてみたけど

それって俺の方が得だもんな」



わぁ…。なんて紳士なんだろう…!!


「お、なんだ?その顔は…惚れたか?」



余計なひと言がなければね。





「早く行きますよ」



「!!まさかのスルーー!!」



…あたしは一体どうしたいんだろう。



こんな、気を持たせるようなマネして…。柳瀬さんとどうにかなりたいという訳じゃ無いのに


このままだと、本当に利用するだけして捨てる、ヒール(悪役)になりそうだ。



いつかははっきりさせなければならないと気付いてはいるのに…



彼の、あたしに向ける愛情が心地よくて。尽くされる事であたしの存在価値が証明されているように錯覚してしまう。




それでついつい甘えてしまうんだ。



大和だけでは飽き足りなのだろうか。




……本当にヒールだ、あたし。