「………っつーことで、帰り家まで送ってくれませんか」
学校、昼休み、保健室。
あたしは柳瀬さんに事情を説明していた。勿論大和の事は伏せて。
共学や女子高なら保健室に遊びに来るような生徒も、ここじゃだーれも来ない。だからこんな話も普通にできているんだけど
逆に言うと二人っきりになる確率がひっじょーに高いわけで。
いつでも逃げられるようにドア側に席を陣取っていた。
いや、考えすぎなのは分かっているんだけど……ベッドもあるし、気をつけるに越したことはない。
コーヒーと、購買で買ったと思われる焼きそばパンの、麺だけを食べながらあたしの話に耳を傾けていた彼。
何故パンを一緒に食べないんだ…
っと。そんな事はどうでもいいんだけど。
「そうか。…そうか…!!」
は?
何か考え込んだと思えば、今度は何か分ったらしくハッとした顔でそう呟いたのが聞こえた。
「お前は俺しか頼る男がいないって事だよなッ!!これって脈アリ??」
キラキラと、眩しいほどの笑顔でこちらを見てきた!
「脈はないですが、頼ってるって事は否定しません」
「いーっていって!照れんなよッ!」
……何を言えばこの人はネガティブ思考になってくれるのだろうか。


