「さなが申請しようとしてたとこはきっと家の側の学校にするんだろうなーって思ったから、一番受かる自信が無かった今の学校だけは、念のために推薦でとっといたんだ。他はどうにでもなる自信があったし。


私立だと転勤もまず無いし、給料もいいから。安直なさなの考えはすぐにわかったよ。



それにきっと男子高だと知らずに申請するんだろうなって思ってた。

統合することになってよかったじゃん」



ふふふ と笑う彼。



「でもさ、もしあたしがそこの高校に採用されなかったりしたらどうするつもりだったワケ?」


「勿論推薦蹴ってた」


勿体ない!!推薦での試験はかなりの難問らしいのに…。


「そんなことまでして、あたしの側に居たかったの?」


「……首輪付けとかないと、な。

誰にでも優しいさなちゃんはすぐにアホな男に好かれちゃうから」


「…そんなつもりないんだけど」


「…柳瀬もそのアホ代表だろ?」



ああ。それで納得がいってしまった。
別に優しくした覚えはないんだけどなぁ…。勘違いされるような事はしないようにしなきゃ。




「けど…。目標ができたら、その時はちゃんと自分の意志で進路決めなさいよ?」



「はーい。わかりましたよ、長谷センセー…」


じっと見つめられる。


な…何?




訳が分からないまま手を引かれて



家の、道路からは見えない視覚へと連れ込まれてしまった!



「大和…?何なの?」