「えーと。こちらは…」


鳩が豆鉄砲を食らった… とは、正にこの状態だろう。橋田先生は目を丸くしてディアナを見つめていた。


「えー…なんて言ったらいいか…。実は男の子なんですけど、この格好は罰ゲームみたいなもので…」


おいおいおい!あたしが説明してる側でガンつけるなッ!



「お?後藤田みたいなもんか?」


「ご…あぁ、薫ちゃんの名字か…。いえ、別にそっちの趣味はないと思います…」


究極のナルシーですけれども。



「何でバラしちゃうんだよ。せっかく俺の美貌で誘惑してやろうと思ったのに」


いや、その声でバレバレでしたが!



「あはは…。面白いお友達だな…」

ピクッ。



大和が“お友達”と言う言葉に反応した!お願いだから余計な事は言うなよー!!!


あたし一人がこんなに必死で気を使っていることにこの男たちは気づくはずもなく…



「そんな所に突っ立てないで座ったらどうですか?」


「ああ。じゃあお邪魔しようかな…」



と、勝手に会い席になってしまうし。



何も知らない呑気な先生と



その先生を探る気満々な大和。



あたしはこの状態でいつまで冷静で居れるのだろうか…。