電車に乗り込んだあたし達だったが、二駅程で直ぐに降車した。



それはケータイショップがその駅にあるから だったけれど

そうでなくともそこで降りていただろう。


なぜなら、ディアナが痴漢されたからだ。


勇気のある変態も居るものだ。結構な混雑だったとはいえ、こんなデカイ外人の格好をした男に触るなんて…。




彼は耐えきれなくなると、おしりを触っていたらしい痴漢の腕を変な方に曲げながら後ろを振り向き



『Don't touch me if you don't wannna get your arm broken.
…Or do you want such a play like that?』



と笑顔で言ってのけた。



その痴漢の、凍りついたような表情は暫く頭から離れないだろう。



プシューとドアが閉まった後、


「ねぇ、さっきの英語、なんて言ってたの?」


と聞いてみた。


「何?分からなかったのか?それでも大卒?」


最高に不機嫌なご様子だったけど、やっぱり気になる。



「英文は苦手だったの!!教えてくんなきゃそのカツラ取ってやる!」



大和は頭を抑えながら“仕方ない”とため息をつきながら翻訳してくれた。



「“腕を折られたくなかったら触るんじゃねぇ。それともそういうプレイがお望みか?”」



「…おっそろしい…」



「Do you also wanna touch me?」


うう…。流暢すぎて何言ってるか分んない。




「ぱ…パードゥン?(なんて?)」