「絢香。」 相手は、私の大好きな声で私の名前を呼ぶ。 もう二度と名前で呼ばれないかと思った。 こんな状況でも、涙が出てくる。 「泣くな。お前が泣いてるの見たくない。」 「な…んで?」 「ん?」 私が泣いてるせいで聞き取りにくかったんだろう。 優しく聞き返してくれる。 「なんで?私のこと好きじゃないんでしょ?」