マンションに到着し、社長はあたしの体を抱き上げたままエントランスを足早に進んでいく。


「社長、ダメです!!今ならまだパーティーに間に合いますから──!」


バカなこと考えないで!


それでも社長は無言でエレベーターに乗り、最上階のボタンを押した。


そしてエレベーターの扉が閉まり、動き始めた途端──


「……ッ!?」


再びあたしの唇を奪う。──もう完全に社長は我を忘れていて、さっきの車の中よりもっと深く激しいキスを繰り返す。

角度を変えて…何度も。まるで貪るように───


最初は抵抗していたあたしも、だんだんと意識が遠のいてきて……
社長の首に腕を廻しながら、必死に答えた。



そして最上階でエレベーターの扉が開くと、社長はゆっくり唇を離す。


「はあ…はあ……」


あたしの息はもうすっかり上がっていて、瞳は更に潤んでいた。



「お前…その顔反則だろ…これ以上オレを煽ってどうすんだよ?」


「……え?」


あたしが口を開いたと同時に玄関のドアが開いた。

そして社長はそのまま寝室へ直行し、荒々しくドアを開ける。


「キャッ」


トサッとあたしの体はベッドに放り出され、すぐに社長が覆い被さってきた。