私は手紙を読み終えた後、その場にへたりこんだ。
手紙を握り締めたまま、何度もベッドを殴った。
「悠紀のひきょうもの!」
考える事が多すぎて、私は何を言ってるかわからなかった。
ずるいよ悠紀。
自分の言いたい事だけ言って、私の話なんか聞かずに死ぬなんて。
バカじゃないの。
悠紀との思い出だけ残された私はどうしたらいいの?
思えばあの時、
1人で私がパンを食べてた時、
私達が仲良くなる事は決まってたんだ。
あるいはそれよりもっと前から、二人は友達になる運命だったのかも知れない。
出会う前、ずっと私は麗華の存在に憧れてたんだよ。
ちょっとした仕草とかがなんとなくカッコ良く感じた。
そんな事麗華には言わなかったけど。

席がえしてから、いつも一緒にいた。
私のしょうもない冗談にも大爆笑してくれた。
私に化粧を教えてくれた。
不細工不細工だって自分を否定する私に、
自分の過去をさらけだしてくれた。
飾らない言葉でキライじゃないって言ってくれた。
冷静なふりして、いつも悩んでたんだ悠紀。
悠紀は私を退屈な日々から救ってくれた。
ひねくれた事ばかり考えてた私をやさしくなだめてくれた。
手首を切った理由も
全部話してくれた。
本当は辛かったはずなのにね。
悠紀はおにぎり好きだったね。
私はパンの方が好きなのに。
私にまでおにぎり強制して。
何するにも突然で。
私が初めて友達と行く旅行なのに
旅行なんてもんじゃなかった。
けど、
家族で行った旅行より
何より楽しかった。
入園料が足りないからって、
ディズニーランドの門だけ眺めて楽しんだね。
でもそれも楽しかった。
最初で最後の喧嘩した時、
私がもっと他の言葉で話せば
こんな結果にはならなかったのかな。
最後に私にあやまりに来た時、
本当は私が悠紀を引き止めれば
悠紀は思いとどまってくれたかな。
今さら気付いたけど。
私達は似たもの同士だったんだね。
今さら気付いたってもう遅いのに。
悠紀はもういないのに。