期末テストが無事終わった。
今回の出来は我ながらなかなか良かったと思う。
「麗華、テストどうだった?」
「ふっ。ばっちり」
私はピースをした。
「悠紀は?」
「ヤバいよ。」
「書けなかったの?」
「名前書き忘れた。英語。」
「うっそー!悠紀意外にドジだね。」
「あんたに言われたくないよ。」
そんな話をしながら私達は体育館に向かった。
今日は緊急全校集会だという。
テストが終わったら二人でファミレスに行く予定が崩れた。
体育館に入り整列すると、
こめかみの毛を無理矢理反対側のこめかみに流している校長が腰のあたりで手を組んで壇上にあがった。
いさぎよく剃ればいいのに。
集会の内容はいじめ問題についてだった。
マリエの事が言いたいのか、他のクラスでいじめが起こったのか、とにかく校長のお経のようなつらつらとした話は体育館に座らされた生徒の眠気を誘った。
そんななか私はというと、後ろに座った悠紀が私の背中に人さし指でハゲ、ハゲ、となぞるもんだから笑いをこらえるのに必死で寝るどころじゃなかった。
集会が終わって私達は伸びをしながら体育館を出た。
「なんかホントにマニュアル通りの集会だったね。PTAや偉い人にやれって言われたからやったみたいな。」
「先生がイジメをやめろって言ったらみんな止めるとでも本気でおもってるのかね」
私達は首をかしげた。