期末テストが近付く季節になった。
しかし、友達付き合いが少ないぶん気持ちが勉強の方に向いていたせいか、それに関する心配はあまりなかった。
悠紀もあまり心配はないみたいだった。
その隣で、エリ達は妙なテンションではしゃいでいた。
「補習になったらまぢどうしよー!!」
「エリごめんねあたし裏切るかも!」
「やめてよもぉ〜」
私達はその様子をぼーっと眺めていた。
やがて彼女達の話題はあゆみの事に変わった。
「そういやさ、あゆみ。写真集出すらしいよ。」
「えっまぢ。」
「あいつさー、可愛いと思う?あたし微妙なんだけど」
「ウケる!あゆみ美人とか言われてるけどさ、対した事ないよね。たらこ唇だし」
何がおかしいのか、けらけら笑っている。
「あのセクシー唇がウリになるんじゃん。わかってないなー」
私は彼女達の会話に聞こえないように参加してみた。
「あんたはプロデューサーか」
悠紀は笑った。
「なんで女の子って、自分にないものを持ってる子だったり自分にできない事をしてる子を見ると馬鹿にしたがるんだろーねー。
私もそうだけど。」
私は枝毛をむしりながら言った。
「そうゆうのをひがみ根性っていうんだよ」
「そうかな」
「そうだよ」
私はエリ達が気付いていないかちらっと確認した。