引き締まった身体に背負う一本の大剣、さらりとした質感の黒の半袖シャツ。

肩にちょうど届くぐらいの髪の長さ、小綺麗な顔だちだが、男らしさは兼ねている。


立ち並ぶ民家からの苦痛の悲鳴が、風の音に紛れていた。


「なんでこんなことに…なっちまうんだ…」

手持ちの薬はもう無い、もちろん特効薬などは初めから無いのだが。

ストークは薬を扱うギルドに、足を向けた。

薬の知識には長けている、ただこの病気を治す薬は無い。

自分には、ただ痛みを訴える人を見守ることしかできないのだ…