姿は幼い少年であれど物怖じをしない‥‥確かに言葉を交わせばそれは違和感のある姿だった。
「‥‥我々は、今回の伝染病と『トレディア』の関係性について調べている」
ボルグが低く(声も目線も、だ)語りかけると、少年は腕組みをしながらフンフンと頷いた。
「それでアンタたちは?随分物々しい格好をしているじゃねぇか」
オニキスは、ストーク達に座れという風にガラガラと奥からイスを引きずってきてくれる。
どうやら自分たちを追い返すつもりはないようだ。
「我々はジュド大公より今回の件で偵察に来ている」
ボルグがさらりと答える。

