宿から20分程歩いただろうか、粗末な民家の並びに目的の家はあった。
軽くノックをすると、中から返事があった。
『帰れ、…食い物でも持ってんなら別だけどな』
…返事といってもこんなものであったが。
「…携帯食で良ければ手持ちがある」
ボルグが言うと、カチャリと、鍵が外れる音がした。
取っ手を引くとギィッとドアが軋み、薄暗い室内に光が差し込む。
「さっさと閉めろ、今外の空気はあんまり吸いたくないんだ」
ドアをくぐった者から家の主を確認し、しばし戸惑う。
「君が…オニキス?」
「ハッ、…目当ての人物がこんな姿でビックリしたかい?」
ストークの問いかけに、家の主は皮肉げに笑む。
目線が合ったのは、カロンだけだった。
小さい…幼い少年。
歳のころ8、9歳といったところか。
ミアに貰った資料にはオニキスは12歳、兄のジェイドは生きていれば19歳とあった。
「黙りこくるんじゃねぇよ、俺は自分から話す方じゃねぇんだから…」
オニキスは艶のある黒髪をワシワシとかきあげた。
子供特有の柔らかい毛並が滑らかにしなる。
「アンタたちの格好‥‥暑
軽くノックをすると、中から返事があった。
『帰れ、…食い物でも持ってんなら別だけどな』
…返事といってもこんなものであったが。
「…携帯食で良ければ手持ちがある」
ボルグが言うと、カチャリと、鍵が外れる音がした。
取っ手を引くとギィッとドアが軋み、薄暗い室内に光が差し込む。
「さっさと閉めろ、今外の空気はあんまり吸いたくないんだ」
ドアをくぐった者から家の主を確認し、しばし戸惑う。
「君が…オニキス?」
「ハッ、…目当ての人物がこんな姿でビックリしたかい?」
ストークの問いかけに、家の主は皮肉げに笑む。
目線が合ったのは、カロンだけだった。
小さい…幼い少年。
歳のころ8、9歳といったところか。
ミアに貰った資料にはオニキスは12歳、兄のジェイドは生きていれば19歳とあった。
「黙りこくるんじゃねぇよ、俺は自分から話す方じゃねぇんだから…」
オニキスは艶のある黒髪をワシワシとかきあげた。
子供特有の柔らかい毛並が滑らかにしなる。
「アンタたちの格好‥‥暑

