「大丈夫さ、ミアは自分から協力を申し出てくれたんだから」
しれっとした顔をして青年が答えた。


「…ミア・マインと言えば黒鉄の研究を進めた第一人者、タイリス最高の錬金術師として名が通っています」

カロンは淡々とタイリスを知らない縁浅い2人に説明する。

「…ん~?錬金術師が皇太子妃に?」

「この国の皇太子は…ちょっとだけ有名なんですよ」

「…変わってるのねぇ」

美しいのは美しいが…恋愛対象になる女では無い。
それもそのはず、ミアは瞬き以外に表情を動かすことが無かった。