「あっ!ヒロっち!」
「………何」
「ごめんね?」
「………別に」
「気を付けて帰ってねっ」
「………ああ」
素っ気ない返事だけど、ホントは優しくていい人だってこと分かってるんだよね。
生徒会に入ってから、たまに一緒に帰ってくれたり。
佐野くんの時なんかは毎日朝迎えに来てくれたり、帰ってたりしてたんだから。(佐野くんが知りたい人は本編で会おうねっ)
「みどり、早くしないと置いてくわよ」
「ちょっと待ってっ」
気付いたらすでに生徒会室のドア近くに立つちぃに急かされて、あたしは床に置いてあった鞄をひったくった。
◇◇◇
ぼふんっとベッドに飛び込めば、ふわふわの布団が少し持ち上がりあたしを包む。
「頭乾かしてから飛び込みなさいよ」
呆れた、とも、慣れた、とも取れる声が降ってきた。
よいしょっと起き上がってエプロンのよく似合うちぃからドライヤーを受け取る。
「えー、あたしがやるのー?ちぃがやってくれるんじゃないのー?」
「ご飯冷めるわ」
もうっ。タツキさんとケンカしてるからってあたしに当たんないでよっ。

