タクがみどりを嫌う?そんなわけないじゃない……だって、タクは……。
「あたしと……わかっ……たい……っく……かもしれなっ」
タクはずっとみどりに気付いてもらいたかったんだから――
みどりは泣き疲れたのか、リビングのソファーで小さくなって寝息を立てていた。
「みどりさんと卓也くん。ケンカでもしたのかな」
「仕方ないわよ。森 里美の所為で三角関係みたいになってるんだもの。 私は別に、あの女とみどりが戦う必要なんてないと思うけどね」
あの女の一方通行なんだから、と呟いた千紗は、携帯を取り出した。
『なんだっ』
「あーら。随分と息が上がってるわね」
『用がないなら切るぞ』
「心配で心配で仕方ないから、どうせ、あおちゃんに電話したんでしょう? そしたら、まだ家に帰ってなかった。 違う?」
『はあ……坂桑の所か……』
「迎えにきなさいよー」
安堵が交じった声に被せた千紗はそのまま携帯を切った。
迎えに来いと言わなくても、卓也は来る。思っていても、それを声にしたのは、卓也の、そしてみどりのためでもあった。

