みどりちゃんの初恋


 踵を返したあたしは返事も待たずに走りだした。

 今日あたしが待ってるって言ったのに。あたし、何やってるんだろ。ヒロっちに話したいことだって、いっぱいあったのに。

 笠井みどりの意気地なし。

 ヒロっちはあたしのことが好き、だなんてちぃもハヤシっちも言ってた。 言ってたけど……ヒロっちのホントの気持ちなんて分かんないじゃん。

 バカで、背が低くて、かわいくないあたしにどうやったら自信なんてつくの? 綺麗で、きっと頭も良くて、それなりの身長の里美ちゃんの方が圧倒的に有利なのに。

 ちんちくりんな笠井みどりに自信なんかあるはずない……。

「あれ? みーちゃん? どうしてここにい――」

 学校の正門から出てきた総くんにあたしは掴みかかった。

「ねえ、言って! あたしが里美ちゃんに勝ってるところ!」

「ヒロと帰ったんじゃないの? ていうか、みーちゃん?!」

「ヒロっちはあたしのこと好きなの?あたしは里美ちゃんに勝てるの?ヒロっちは……ヒロっちは……っ」

 ぶわっと視界が真っ黒になった。

「そんなにつらいなら、やめなよ」