ヒロっちの背中に乗って送ってもらってから1週間。 生徒会室は約1ヶ月後に控える球技大会の準備で大忙し。

 ちぃは球技大会実行委員を集めて会議、ヒロっちはくじ引きで決まった対戦表の作成、ハヤシっちとあたしは出店を出してくれるような所に片っ端から電話。

 やっと今日の仕事が終わった頃には、校庭から『ありがとうございましたーっ!』と部活の終わりが聞こえてくる。

「部活終わっちゃったね」

 冷たいお茶を飲みながらそう言ったハヤシっちはぐたーっと机にのびた。

「明日から普通に出来ると思うわよ」

 今日あった会議の資料を片付けながら言うちぃは、ちょっぴりお疲れ気味みたい。

 ……まあ、終始仲直りしたばっかりのタツキさんがちぃにくっついてたんだから仕方ないけど。

 ちぃ曰くあれはセクハラなんだとか。

 ゆっくり荷物をまとめていると「何」とマイナスほどの冷たい声が生徒会室に響いた。

 声の主はヒロっちで携帯片手に荷物をまとめているところ。

「……別にカゲがやればいい。俺がやる必要はな――黙れ。耳元で叫ぶな!」

 呆れた様子のヒロっちはブツリと電話を切って席を立った。