ブレイク

だが、ある夜、俺とリンがいつものように子供部屋で眠っていると、母さんが慌てて俺達を起こした。

そして、俺とリンを押し入れの中に入れると、

「いい?
静かにしておくのよ。

ハヤト、あなたはお兄ちゃんなんだから、リンのことを頼むわよ。」

「母さん?」

「ママ、どうしたの?」

リンは眠そうに目をこすっていた。

俺だって、何が起こっているのか、訳が分からなかった。

そして、何かが割れたような大きな音。

「ハヤト、絶対に出てきてはダメ。
絶対よ。」

そう言うと、母さんは押し入れの戸を締め、部屋から出て行った。