ブレイク

「こっちに座れ。」

男にそう言われ、床に座る。

「ハル、調子はどうだ?」

シンは、コンピューターに向かっている男にそう声をかけた。

「はい。バッチリですよ。」

ハルと呼ばれた男は、カタカタとキーボードを叩いていた手を止め、言った。

「シンさん怪我は?」

「大丈夫だ。」

「そうですか…良かった。
…少し休憩にします。
コーヒーでも入れましょう。」

コンピューターの前から立ち上がったハルという男は、そこで初めて俺に気づいたというように、

「だっ…大丈夫ですか!?
ちっ…血が出てますよっ!早く止血しないと!!」

と、慌てて言った。

歳は、俺と同じか少し下くらい。
ちょうど目の上くらいの長さの前髪に、首が隠れるくらいのストレートの黒髪。

黒目がちの瞳。
子犬のような顔立ちの男だ。

「ハルうるせぇぞっ!
今俺がやってんだろうが!!」

煙草の男にそう一喝されると、ハルという男は、

「ごめんなさい…ショウゴさん…。」

静かにそう言うと、お湯を沸かすためか、部屋の隅からカセットコンロを取り出した。