西暦2100年。

長年に渡る環境破壊が原因で世界中で温暖化が進んだ。

海面も上昇し、巨大津波に飲み込まれ、水没してしまった国も少なくはない。

地球上の多くの陸地は砂漠化し、深刻な食糧不足にも喘いでいた。

この国が巨大津波に襲われなかったのは、奇跡に近いかもしれない。

ここは、周りをぐるりと海に囲まれていて、ぽっかりと浮かぶ島国だ。

だが、この国でも食糧不足は深刻だった。

それは、温暖化による気候の変化で砂漠に近い環境になっていることも原因だが、この国より酷い環境の他国から逃れてきた人々による人口増加だった。

事態を重くみたこの国の政府は、他国の人々の入国を一切禁じたが、食糧不足は悪化する一方だった…―。