深夜、妙な気配を感じ、俺は起き上がった。

リンも何かを感じとったらしく、目を覚ました。

「お兄ちゃん…何だろう…?」

「さあ…分からない…。
何か変な気配が…―」

その時、

不意に悲鳴が聞こえた。

そして、


銃声…―!?

俺は8年前の事件を思い出した。

…まさか…。

「何!?
今の音…それに悲鳴が…―。」

リンが様子を窺おうと外に出ようとした。

「リン!!
外へ出るなっ!!」
「え?」

リンがこっちを振り向いた瞬間、乾いた銃声が響いた。

1発…2発…

リンの体がくずおれた。

そのまま、地面に倒れ込む。

「リン!!!」

俺は駆け寄ろうとしたが、その時、軍服のような服を身につけた男達が2人入って来た。

手には銃を握っている。

男の1人がゆっくりと、俺の方へ銃口を向けた。

ためらうことなく引き金を引く。

パン!!!

音がしたと同時に、左肩に熱い衝撃が走った。

血が溢れてくる。