だいすきな旦那様




「帰りは…迷わないように

ちゃんと帰んなきゃっ…」

そう思って歩いていたものの

あたしはやっぱり

迷子になってしまった。

「うぅーっ……

やっぱり花怜についてきて

もらったらよかったーっ…

ここ…どこー…??」

そんなことを言った瞬間

閉めきっている教室から

声が聞こえた。

「せんせっ、好きです…」

と言う甘ったるい声が─…

そう、聞いたことのある声が…

さっきの…生徒だ……