もしも世界が美しかったら




─堕ろすなら…




「早いほうがいいよね」




罪悪感なんて、なかった。




煙草の火を消し、
握り締めた札を
無造作に鞄に詰める。




そしてあたしはゆっくりと
産婦人科に向かって
歩き出した─