もしも世界が美しかったら




「!!」



完全に、彼女を宙に浮いている─



「─私はね、

生まれる前に死んだ子なんだ」




そういった彼女の背中に
見えたのは、灰色の翼。




「生まれる、前…?」



ただただ目の前の現象が
信じられなかった。



この子は、幽霊…?




けど彼女は幽霊と呼ぶには
相応しくないほど優しく笑う
天使のような少女だった