春人はもう一枚封筒から取り出すと、拓磨に渡した。

「これ…」


写真を見た拓磨の顔はじわじわとピンク色に変わっていった。


そこには川ではしゃぐ子供たちが写っていた。


その中心で仲良く微笑み合う拓磨とマナちゃん。


「イイ写真だろ?二人ともすげぇイイ顔してる」

「これ…もらっていいの??」

「もちろん、大切にしろよ!!」

「ありがとう!!」

「いつか、自分で撮れるといいな。マナちゃん」

「う、うん…」

「今日は素直なんだな」

「うん…オレ、マナちゃんは大事な友達だから!!」


春人はクスッと笑うと拓磨の頭をなでた。


「じゃぁ、オレ、ばあちゃんの写真立て作ってくる!!」


「うん、出来たら見せてくれよな!」


拓磨は大きく頷くと勢いよく走り出し、あっと叫んで再び春人のほうを向いた。



「春人!!春人はもっと大事な友達だからな!」



満面の笑みでそう言うと手を振りながら走って行った。


「面白いやつ」

春人は拓磨の背中を見送りながら特別な感情を抱き始めていた。