ーコンコン


「入りなさい」


返事を聞き、僕は部屋に入った。


「父さん何かよう?」

僕は部屋に入るなりそう聞いた。


「まあ、座りなさい。大事な話だ」


父さんに促されてソファーに座ったが嫌な予感しかしない……


「それで?話ってなに」


「お前は今までことごとく結婚を拒んできたな」


嫌な予感適中だ……


「そろそろ結婚してもいいんじゃないか?お前ももう27だろう」


最近は父さんも諦めて結婚の話はしてこなかったのにどういう事だ?


「僕は別に不自由してないよ」


「会社のことも考えろ。お前の跡継ぎが必要だろう」


「だから…」


父さんが一度言葉を区切った。


「だからなんです?」

どうせまた、見合いだのパーティーへ行けってところか……


「セツナ、お前に結婚の話を持ってきてやったぞ!もうお前の意見は受け付けんからな」


父さんは突然結婚などと言った。


はぁ!?


結婚の話!!


「父さんどういうこと!!結婚ってなに」


「だから結婚の話だ。意見は受け付けんと言っただろう。それにこの話は相手方も結構乗り気だ」


とうとう強行手段に出たか…