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「そんな馬鹿な、なの温厚馬鹿が私と戦争をするはずが…」


「それが変わるのです。
現王が亡くなれて、リューベック国は悲しみに揺れ怯え始めるのです」


「私にか?」


「えぇ・・・・そこで、第二王子には私の変わりにクヌート軍を率いて、前線で戦っていただきます。」


「なっ!!」



側近が驚きを表にする




「・・ウィリアム、いつもの冷静沈着はどこへ行った。・・・・フェンネル将軍、呪いはその為か?」


「白の呪いは私だけの最高位の呪いです。禁術とも言えるその呪いは、解き方は愚か、解く者すら出ては来ない。
・・・・・ご無礼は承知の上です」



申し訳なさそうに顔を歪める



「・・・なぜ王族なんです?将軍の地位なら、力があれば王族でなくとも着ける」



冷静さを取り戻した側近




「白の呪いは巨大な力の一種・・・・・第二王子だけにしか呪いと共に生きて行けない。彼は・・・・・・呪いを授かる運命なのです」


「…少し強引ではないですか?その呪いがなければ、我が国が滅びるとでも?」

「分からぬか?
向こう側も、それだけの力があると言うことだ。」


「王の仰る通り。
時は既に始まっているのです。ただ、歯車が動き出すのが未来なだけ。」


「話しは分かった。
だが、お前はどこまで付いて来れるんだ?」


「………白の呪いをかけた時点で、私は魔力の半分を失いました。」





彼の言葉に王の眉が皺を生み出す




「そして国全体の人々の記憶を操れば、私の魔力は全て消え、私自身をも飲み込むでしょう・・・・・・」


「・・・・すまない、フェンネル。
1人で全てを抱え込ませる形になってしまった…。」





王の悲しみの声に
空気が揺れる





「これは私が決めたこと。自分が行ったこと。
自身がこの国に出来ること唯一のこと。

愛してるこの国の未来の為に……………」






“我がヴェルトに未来の勝利を…!!”