どうせならお酒が飲みたいから、と言って、ハルキは一旦自宅に戻り車を置いてから出直してきた。

私はその間に、どのお店に行こうか検討。

やっぱ、行き慣れたあそこがいいか。

色々迷ったあげく、気張らずに行ける居酒屋に決めた。

夕方になってハルキがうちまで迎えに来てくれた。

「どんなお店なんですか?ミクさんがお勧めのお店って何だか気になるな。」

「うーん。行けばわかるけど。そんなオシャレな雰囲気の場所じゃないのよ。」

「雰囲気じゃないとすれば、料理の味がいいとか?」

「料理も至って普通。でも、その普通な感じが安心できるっていうかね。」

「へー。和食ですか?」

「うん、そう。食事よりもむしろお酒が楽しめる場所かなぁ。とにかくお酒の種類は豊富なの。」

「なんだか大人って感じですね。」

「私はハルキくんの年齢の頃から行き着けだけど。」

ハルキは少し驚いた表情をした。

「ミクさんって見かけによらず、酒豪だったりする?」

「酒豪も酒豪。熱燗なんかもぐびぐびいけちゃう。」

「まじで?」

「まじで。」

ハルキは嬉しそうに笑った。

「俺、お酒強い女性って好きなんだよね。俺もお酒好きだから。」