「痛いか?
でも君に無視され続けた俺の心の方がもっと痛いんだよ?
君にわかるかな?
この痛み。
少しはわかってくれたかな?」
「痛いのはお前の存在だろうが!!」
ガン!!!!
金属バットで頭を殴られ、警察官は気を失い倒れた。
頭から夥しい量の血が流れだし、フローリングを赤く染める。
私は今、立っている青年を見上げた。
隣に住む大学生だった。
「大丈夫ですか!?
さっき騒ぎ声が聞こえたので!
こいつに何かされませんでしたか!?
まさか警察官が……」
私は精気が抜けた様にふらりと立ち上がった。
「大丈夫ですか!?
ふらふらじゃないですか!!
早く病院へ行きましょう!!」
「…………さい」
「え?」
「…………たのに」
「何を言ってるんですか!?」
「……も……ね」
「ぼ、僕、救急車を呼んで来ます!」
