『ムーン、俺の話聞いてくれる…?』


『うん。』


和也が真剣な眼差しでムーンを見つめる。


『俺、俺、ここをやめて、来年から、ボクシングの道に進もうと思う。』


な、なんて言った?


『ボクシング?あっ、だから、走ってたぁ。』


『そう。』


和也にスキって言われたのに、会えないの?仕事やめるの?イヤダ。


胸が熱くなり、涙が止まらなくなった。

和也は私のぐちょぐちょになった顔を優しく両手で触った。


こんな顔じゃあ妄想も何も…



そっと和也の顔が近づいてきて…


『ムーン、顔ぐちょぐちょ、でも、かわいい。こんな時は、目をつぶるの。』



私は、目を閉じ、和也の唇を優しいキスを、うけとめた。






残念なことに、キスの時の記憶が全くない。


あまりにも興奮して、記憶が…ぶっ飛んでた。




和也とは、遠距離恋愛になる。



でもね。



和也



初めて会った日から、いままで変わることなく…




何にも、変わることなく



やっぱり



和也が…




スキ。






完。