『さぁ、みんな集まって、朝礼です』


少し年配の女性が大きな声をはりあげた。


『今日から、新人がはいっています。新人さん、挨拶をお願いします。』


緊張する。みんなちゃんと、挨拶できてるのかな?とみ子も…


『は、初めまして、今日から、こちらに所属になりました、桜木月子です。』


『くすっ、月子って、また古くさい名前。』


なに?なに?この、おばちゃん、何者?なんか、最悪。



なんだか、このおばちゃん、怖い。


次から、次から自己紹介が始まった。


『初めまして、蜜です。最初は何にもわからないと思うの。聞いてね。』


おぅぅ〜綺麗な細身の優しそうな人。はっきりした顔立ち。


『初めまして、まみです。私、普通だと思ってます。性格も普通よ。よろしくね。』



よかったぁ。普通でなによりです。でも綺麗なんですけど〜。蜜先輩と雰囲気がにている。


『初めまして、私、るいです。仕事おわったら、飲んでまぁ〜す。ウコン常時もってます。』


な、なぜに今、お酒の話?しかし、るい先輩も綺麗だぁ。三人の先輩とも綺麗。でも、また名字ないし。


あっ、さっきのおばちゃん。

『私、里田です。この仕事、20年してますの、よろしく。』


『そして、私が店長の松井です。』


ねぇ、ここって、紳士服売場よね。
男って、店長だけ??
イケメンはどこにいるの?少し期待してたんだから。

しかも、店長、独身だけど、ちっさぁ。唇、やたらと、たらこだし。



おばちゃんが主のような気がする。



さっそく仕事となった。