オンナの園

『あ…どうも月子がお世話になってます』


ここちゃん、かおるん、ゆずちゃん、目がハート。


『ねぇ、ムーンのお兄さん格好いいね。』


全員、首をたてにふる。


『拓にぃには、綺麗な彼女いるから、ダメだよ。』


また全員、首を縦にふった。

『拓にぃ、友達、誰?』


『あれ、月子知らなかった?』


『大学時代の友達、大倉、中丸、妻夫木』


キャア〜いい。


『大学はこっちじゃあなかったから、月子は知らないかぁ。』



悩むな…どれにしようかな?私は心の中でそう呟いた。

いけない。いけない。私にはすっかり影の薄くなった和也がいるのよ。


ここちゃんが口を開いた。

『あれ?たっちょん?たっちょんだよね。大倉さんちのたっちょん。』


『こんなに、イケメンになっちゃって…』


『あ、ああ、ここちゃん??えっ、どうして、此処に?綺麗になったね』


どうやら、昔、近所に住んでた、憧れの先輩だったらしい。


そりゃあ、話も盛り上がるだろっ。


よく、すぐにお互い名前まで浮かんだよな。


ここちゃんは、ラッキーな事に憧れの先輩の電話番号とメルアドをゲットしていた。


運命の出会いとは、本当に突然やってくる。




その横で、ゆずちゃんが、トロンとしている。


『こんな、タイプの人に会ったの初めて。』


仁の時も、そのような事いってなかったかぁ?


『ゆず、タイプ、タイプ〜』


お願い、ゆずちゃん、騒がないで。


ゆずちゃんの騒ぎっぷりに全員キョトンとしている。