『ただいま〜ママ、ママいる?』


『おっ、月子、久しぶり。かあさん、今、買い物いったとこ。』


『拓にぃ、久しぶり。』


ダメだ。拓にぃ見たら、思い出して、にやけてしまう。うふっ。


『ふ〜ん、ママ買い物。』

『おまえな、もうその年で、パパ、ママ、やめろよなっ』

『いいんじゃあなぁい。』

にやける…


『拓にぃ、瞳さんとうまくいってる?』


『ああ……』




後でママに聞いた話。

瞳さんの元彼は、テレビに出てる人らしい。

ママがその話に飛びついたらしいけど…!?


テレビに出てる人…それだけで、必死になって瞳さんに聞いたんだって。



『月子…女子寮ってどんな感じだぁ?』


『楽しいよ。みんな優しい人ばっかりだよ』


『一回、女子寮いってみてぇ…』


『どういう意味で…?瞳さんにいいつけるぞぉ〜』


拓にぃは、照れた顔で、話をそらした。



『まあ、月子、頑張れよ。』



その日の夜、久しぶりに家族4人でご飯を食べた。


パパは相変わらずいそがしいらしい。



家族でこんなに、たくさんしゃべったのも、久しぶりのような気がした。